2/22第一回定例会一般質問に立ちました。
先日、世田谷区議会第一回定例会にて、一般質問に立ちました。
今回のテーマは、下記の3点です。
1.科学的知見に基づく効率的・効果的行政運営と政策決定の透明性の確保について
2.次期教育ビジョンと調整計画の新たな展開について
3.セーフティーネットに対する区の基本的な考え方について伺います。
「1」の質問の中では、区民の方からその実施方法について多くの疑問の声を頂いている「検査キットの無料配布事業」についても取り上げました。
以下、質問の内容をまとめましたので、ご覧いただけましたら、大変嬉しく存じます。(質問全文ではありませんが、長文になってしまいました。最後までお読みいただけましたら幸いです。)
動画はこちらからご覧いただけます
→http://www.setagaya-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=6147
1.「科学的知見に基づく効率的・効果的行政運営と政策決定の透明性の確保」について
今定例会の招集挨拶において、区長は「この度の、国や都道府県のコロナ対策を見るにつけて、科学的知見と先を見通した広い視野が必要不可欠であると認識した」とご発言されました。
科学的知見、そして、それに基づく政策判断を行うということは、適正な手続きにより意思決定がなされていること、かつ客観性がある、ということと一体でなければなりません。
区が、「科学的知見が必要」とのご認識に立たれる以上、「科学的知見」、及び、これに基づく政策判断も含めて、区民や議会による「客観的検証」が可能である、ということが前提となるべきと考えますが、区のご見解を伺います。
区が取り組んできたコロナ対策の一つとして、メディア等でも大きく取り上げられ、注目を集めた「抗原検査キットの無料配布事業」について、私のところにも区民の方から様々な不安と不満の声が届きました。また、今議会において他会派からも様々なご意見・ご指摘がございました。
結果として、区の事業が区民・議会の混乱を招いてしまいました。
これを1つの事例として考えたときに、この検査キット配布事業における区の意思決定は、どのような科学的知見に基づいた判断であったのか、判断の基礎となる客観的データと政策決定過程について、区民・議会に明らかにすべきと考えます。区のご見解を伺います。
多くの区民の皆様にご納得いただける区政運営を行うには、政策決定における判断基準としての「科学的根拠」が重要であり、適正な手続きにより意思決定がなされていること、かつ客観性があるということが必要です。
つまりは、事業実施後に改めて検証する際には、区が当時、どのような政策目的を設定し、行動目標を掲げ、いかなる手法をもって事業に取り組んだのかということはもちろん、その検討過程において、どのような庁内議論が行われたのか、手法の決定にあたって他のアプローチやアイディアがあったのか、どういった根拠をもってその結論が導き出されたのか、これらが、明らかになることが区政への信頼を高めることにつながるはずです。
はたして、現在の区は、「政策決定過程の透明性が確保されている」と言えるのでしょうか。現在および将来の区民に向けて、「説明責任」を果たせるだけの「政策判断の根拠」を示すことができているのでしょうか。
先の検査キット事業を一つの先例として、今後の科学的知見に基づく区のすべての政策決定に活かすため、政策判断の基礎となる「科学的根拠の明確化」と、それに基づく意思決定・政策決定の「透明性を確保」するための具体的手法を確立すべきと考えます。区のご見解と今後の取り組み・手法をお聞かせください。
2.「次期教育ビジョンと調整計画の新たな展開について」
教育のあり方、学びの意味が大きく転換していく今だからこそ、従来の「地域の力で教育力を向上する」という方針に加え、教育と学校の力で地域社会全体を押し上げる、という大きな視点を、世田谷の教育委員会が明らかにされることが、必要ではないでしょうか。
現在、様々な形で学校に関わってくださっている方々に加え、より多くの方々に学校の持つ地区施設としての機能を最大限活用して頂き、学校が私たちすべての区民にとっての「居場所」であり「学びの場」となるよう、あらゆる創意工夫が必要です。
教育委員会としての、「学校を核とした地域づくり」における現状へのご認識と今後の展望を伺います。
世田谷区の教育ビジョン・調整計画(案)では、「格差」ということについては一切触れられておりません。
区が、昨年の秋に行ったパブリックコメントでは、「計画には、格差を生まない教育の視点を取り入れてほしい」とのご意見が寄せられました。
教育のあり方が、大きく変わろうとしている今、「教育における格差」とは何か、地域社会における子ども達の現状から定義し直し、すべての子ども達に健やかな成長の機会を創出していくことが求められているはずです。
「教育格差」に対する、教育委員会としての現在のご認識、区内の現状と対策、今後の展開について、お聞かせください。
次に「セーフティーネットに対する区の基本的な考え方」について伺います。
区は基礎的自治体が張るべきセーフティーネットについて、どのようなご認識をお持ちなのでしょうか。
誰もが制度の狭間に落ちてしまうことのない、きめ細やかなセーフティーネット、つまりは、安全網を張り巡らせることこそ、区民の生命と財産を守る基礎的自治体である世田谷区役所の「存在意義」で、あるはずです。
しかしながら、区が張るべき「セーフティーネット」への基本的なご認識は、所管ごとに大きく異なり、そのことが様々な政策に、はっきりと表れています。
私はこのことに疑問を持ちます。
子ども若者政策では、セーフティーネットを網羅的に張り巡らせている一方、高齢者政策では、認知症に係る損害賠償の補償制度について、区は「地域づくりの取り組みを補完するセーフティーネットの1つとして大切である」と認識しながらも、様々な課題を並べ立てるばかりで、先延ばしに先延ばしを繰り返し続けています。
区が、セーフティーネットの一つとして大切であると認識されながらも整備を前に進めないということは、「隙間があるのを知っていて、例え落ちても自己責任です」ということを表明されているのでしょうか。
このままでは、区民はその立場と境遇によってセーフティーネットに守られることなく、制度の狭間に落ちてしまうことになります。
区として、「政策全体」にセーフティーネットを、なぜ張り巡らせなければならないのか、また、区がセーフティーネットを張ることの意義について、区としての「基本的方針」を明確にすべきです。区として、基本的方針をお示しください。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ご意見は、こちらからお寄せください。