第3回定例会閉会と決算特別委員会文教質疑について
皆様、こんにちは。
いつもご覧頂き、誠にありがとうございます。
昨日(10/19)、世田谷区議会第三回定例会が閉会しました。
本定例会では、令和2年度の決算の認定をはじめ、補正予算等の多くの議案が可決されました。
毎年この時期に行われる第3回定例会では、その会期中に決算特別委員会が行われ前年度の決算と区の施策・姿勢についての質疑が行われます。
今回は、その一部「文教領域」における質疑についてご報告いたします。
今回の文教領域における質疑のテーマは大きく以下の3つです。
- 子どもの体力低下について
- 教育委員会の職員研修について
- 「好奇心」をはぐくむ教育について
こちらの質疑の様子は、世田谷区議会のHPより動画でご覧いただけます。
→世田谷区議会インターネット議会中継-録画映像再生 (jfit.co.jp)
少し長くなりますが、以下に質疑の要点をまとめます。
1.子どもの体力低下について
子どもの体力の低下は、単に運動能力の低下のみが問題なのではなく、大人になってからの生活習慣病など、将来的な健康リスクの増大につながるとの指摘もなされており、きわめて重要なテーマの一つです。さらに、今般のコロナ禍により、運動機会の減少、外出・外遊びの機会の減少が長期にわたって続いていることを踏まえると、「体力向上」の取り組みは今まで以上に重要な教育テーマになるものと考えます。
こうした状況にあって、区として、コロナ禍の影響をどのように把握・分析されているのか、また、コロナ禍を踏まえ、低下が危惧されている子ども達の体力をどのように向上させるのか、区の見解を問いました。
本年7月28日の日本経済新聞において、肥満傾向があるとされた児童の割合が高校1年生を除く全学年で上昇、裸眼視力が1.0未満の小中学生の割合が過去最悪を更新したとの指摘がなされていることに加え、私自身も保護者や子どもを見守る地域の方から、コロナ禍による体力の低下に加え、ICT教育の推進が、視力の悪化や運動機会の減少などにつながらないかなどの不安の声を頂いています。
こうしたことを踏まえ、このような不安を解消するためにも、教育委員会として、世田谷の教育は、「ICT教育の推進」と「体力向上・健康増進」の両立を目指すという方向性を、子ども達や保護者をはじめ、教育現場と区民に明らかにするべきと提起し、区の見解を問いました。
2.教育委員会の職員研修について
先日、現場で教育に携わっておられる方から、教育委員会の中には、職務上、現場に足を運ぶ機会がほとんどない職員さんもおられ、現場の状況について、認識の違いを感じることもある、というようなお話を伺いました。こうした教員現場経験のない職員さんが、現場に足を運び、ご自身の仕事がいかにして教育現場で、成果として、子ども達に還元されているのかということを知ることは、仕事への熱意や意欲の向上にもつながりますし、現場の課題や現状を知り、仕事に活かすという側面からも、非常に重要な視点であると考えます。
このことを踏まえ、教育委員会のすべての職員が、現場を知る機会や子ども達・先生方と交流する機会を創出し、その政策的効果と現場の実態を実感するとともに、現場と教育委員会が一体となった良い関係性を構築し、より一層、「現場に即した教育」の実現を目指すべきと提案し、区の見解を問いました。
3.「好奇心」をはぐくむ教育について
先日、ノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎さんは 「私の原動力のすべては好奇心だった」とおっしゃられました。
子ども達が、未知のものに対して興味を示し、不思議に思うこと、疑問に思うこと、この気持ちがまさに「好奇心」であり、この好奇心こそが、子ども達の行動の動機づけとなり、成長や学びの「原動力」となります。今回の質疑では、「はたして、私たち大人や社会、そして今の学校教育は、どれほど子ども達の「好奇心」に向き合うことが出来ているでしょうか。」と投げかけました。
これまでの詰込み型の教育からの「質の転換」の必要性が叫ばれる中、子ども達にとって、日常から専門的知識に至るまで、大小さまざまな「好奇心」、これらをどのように一つひとつすくい上げ、はぐくんでいくのか、これこそが、まさに「教育の本質」であり、いま現実的な議論がなされるべき重要なテーマであると考えます。
日々の現場での先生方の好奇心をはぐくむためのご努力や創意工夫をデータベースとして蓄積し、それらを区の共通財産として捉え、現場、教育委員会のみならず、区民とも共有し合い、区全体で「好奇心をはぐくむ取り組み」へと発展させていく、このような積み重ねの先に、子ども達が世界で輝く「世田谷の教育」を実現していく、これこそが、教育の質の転換の中核的施策になり得るのではないか、と提起し、教育委員会の見解を求めました。
以上が今回の決算特別委員会での質疑での要点です。長くなりましたが、お読みいただき誠にありがとうございます。また、答弁等を含めた議会報告レポートは今後作成する予定です。
ご意見等ございましたら、お寄せいただけましたら、大変嬉しく存じます。