第4回定例会のご報告
先週の金曜日(12/4)に世田谷区議会第4回定例会が閉会しました。
今定例会では、高齢者インフルエンザ定期予防接種の全額公費負担や来年度から始まるGIGAスクール構想(児童・生徒1人1台タブレット)に伴う学習アプリの導入、飲食店応援キャンペーンとして導入される、せたがやPayの事前キャンペーンなどを含む約22億円の補正予算が提案され、全会一致で可決となりまし。
つるみけんごは、本定例会において一般質問に立ちました。
その内容については、前回の活動報告の動画でもお伝えしましたが、改めて要点を下記にまとめました。お読み頂けましたら幸いに存じます。
☆質問の動画は、下記URLからご覧いただけます☆
世田谷区議会インターネット議会中継-録画映像再生 (jfit.co.jp)
1.「地域行政制度」について
世田谷区では現在、今後の地域の在り方、まちづくりの方向性を大きく左右する「地域行政制度」の推進条例の制定に向けた検討が行われています。
区は、約30年前、「区役所が住む人の近くに来る」という画期的な発想に基づき、全区的な課題は本庁で、地域の課題は地域の総合支所で、区民に最も身近な地区の課題は地区の出張所で解決するための三層制の地域行政ネットワークを整備しました。(区民に最も身近な地区の課題解決を担う行政拠点は「まちづくりセンター」となっています。)
本年の区民意識調査において、区民が「まちづくりセンターに期待すること」とのアンケートでは、約2割もの区民の方々が、「行政手続きに関する窓口サービスの拡充」と回答されています。(1番多かった回答は、「防災に関する情報や物品の提供」ですが、ほぼ同じ割合の方が「窓口拡充」と回答されています)
①こうした背景を踏まえ、区は今後、地域行政の推進に向けて、この区民の声をどう受け止め、今後の区の窓口の在り方にどのように活かしていくのかを問いました。
⇒区の答弁:行政手続きに関する窓口サービスの拡充について検討し、取り組む。
今般の新型コロナウイルス感染症への対応は、給付金の支払いの遅れや、保健所と医療機関のFAX問題、子ども達の学びを支えるオンライン授業への対応の遅れなど、ICT環境の整備、行政におけるデジタルトランスフォーメーション=DXの必要性を改めて顕在化させました。
時代の変遷によるデジタル化の波は、これを機にますます加速し、行政職員の働き方改革、業務効率の向上などにも大きな変化をもたらし、行政におけるDXが自治体の在り方、そして区民と行政の関係性に多大な影響を与えることとなります。
②区は、現場を持つ基礎的自治体として、デジタル化による行政の変化のその先に、「デジタル化を駆使し、これまで以上に区民と行政が密につながる地域社会」を描き、その目指すべき方向性を明確に示すべきです。世田谷区のDXがどのように区民のためになるのか、区の見解を問いました。
⇒区の答弁:DXによる業務改革を進めることにより、生み出された資源を、
対面によるきめ細かい相談業務や地域コミュニティ・まちづくりなど人との交流が土台となる業務を充てることにより、結果として区民とのより強い信頼関係を築くことができるよう全庁的なDXの取り組みを地域行政の検討にも生かしていきたいと考えている。
2.「高齢者の居場所」について
先日開かれた地域保健福祉審議会で提示された資料、計画の答申(案)において、新たな項目として「高齢者の多様な居場所づくり」が打ち出され、高齢者の孤立を防ぐため、身近に出かけて行くことができるくつろぎの場を広げていくことを盛り込む方向性が示されました。
ここに示されている「身近に出かけて行くことができるくつろぎの場」において、例えば移動手段をお持ちでない場合や、足腰が不自由な場合、さらにはより多くの方に「くつろぎの場」を創出していくという観点からも、「身近な範囲」という点は、非常に重要な視点であると考えます。
③今後、区は高齢者が求める「くつろぎの場」・「通いの場」を、身近な範囲の中でどのように創出していくのか、見解を問いました。
⇒区の答弁:身近な地域で高齢者が安心して過ごせる居場所づくり、通いの場づくりについて関係部門が連携して充実に取り組む。
3.「これからの認知症施策」について
世田谷区はこれまでも様々な認知症施策を展開して来られたわけですが、本年10月に、新たに「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」が施行され、現在、条例の施行に伴い、「世田谷区認知症とともに生きる希望計画」を作成されていますが、既に示されている計画の骨子案からは、世田谷の地域社会がどう変わっていくことを目指しているのかを読み取ることができません。
④計画づくりの最終段階を前に、「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の意味、つまりは、その『存在意義』に対する区のお考えを、改めて問いました。
⇒区の答弁:全ての区民が安心して自分らしく、ともに暮らすことができる地域共生社会の実現に向けて、区が区民とともに、将来にわたって取り組むことを宣言したことにある、と捉えている。
また、区と区民が認知症に対し、どう向き合うかという視点から、これまでも認知症に伴う踏み切事故などを想定した損害賠償の補償について、質問で取り上げてきました。しかし、区は、先の決算特別委員会でも、従来通り「検討する」との答弁を繰り返されました。一方では、「希望計画(案)」の作成は、いよいよ大詰めに来ています。
⑤補償制度に関する具体的な検討状況について、明確な答弁を求めました。
⇒区の答弁:条例の目指す地域づくりの取り組みとあわせて、賠償保険制度の議論も深め、区の検討に生かしていく。