本庁舎整備に係る特別委員会のご報告
本日は臨時で行われた世田谷区議会「DX・地域行政・公共施設整備等推進特別委員会」に出席しました。
その内容についてご報告申し上げます。
この間、報道などでも話題となっている世田谷区の本庁舎整備の延伸問題について、区より説明がありました。
1つ目は、本庁舎整備工事の延伸に係る違約金に関する合意書(案)の確定までの経緯について、2つ目は工期の延伸に伴う損害賠償についての区の想定について、3つ目は契約変更についての追加報告。
私の主な疑問点は、①違約金について区が当初提示していた資料とは考え方が変わっていると思われる点についての合理的説明がなされていないこと、②区がこれまで主張されていた「見えない部分の損害」について説明がないこと、③合意案における損害賠償額について具体性がなく根拠が不明瞭な状態であり議会として判断できる状況ではないこと、以上大きく3つです。
①については、1つ目の写真をご覧ください。
これは区が昨年9月8日に区長記者会見の際に用いたスライドです。ここでは、区は①遅延違約金約3.63億円、②技術提案不履行違約金約4.15億円、③損害賠償、④見えない(数値化が難しい)部分の損害賠償、の四階建てで契約の相手方に求めていくことを示していました。
ここで2つ目の写真をご覧ください。
この本日の資料では、①遅延違約金約3.6億円(※図には2・3期の遅延分も記載されているので少々わかりづらいが、記者会見資料と比べるため本記事では1期相当分のみを記載)、②技術提案不履行違約金4.15億円、③損害額Xとなっています。
補足をしますと、この「X」のうち技術提案不履行違約金分の4.15億円は差し引かれることになり、事実上これを超えた分を実損として区が請求するとのことです。
ここで重要なのは、区が当初言われていた「目に見えない部分の損害賠償」という考え方が抜け落ちてしまっていること、さらに、当初は別建てだった損害額は技術提案不履行違約金と合築され、違約金の額としては実質的に4.15億円分を吸収されてしまっていることです。
さらに言えば、この「X」の具体的内容については現時点で両者の合意がなされていないとのことです。つまり、Xは解釈によっていかようにもなり得る可能性が排除できないという事で、実際の損害賠償の金額は具体的には「わからないまま」ということです。
区はこのような状況で、今回の「合意案」を区議会で議決することを求めることになります。
いうまでもなく、これは私達区民の税金に関する議論です。
私は、4.15億円に関する区の考え方の合理性、見えない部分の損害が抜け落ちたことへの不十分な説明、実質的に合意がなされていない不明瞭な実損額「X」、これらが明らかにならない以上、この合意案について区議会として判断のしようがないように思います。
以上、本日区に申し上げたことを含め、今後の区の対応を注視してまいります。